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こおりやま広域圏観光情報 vol.1 磐梯山

磐梯山

福島県の壮大な自然の象徴「磐梯山」。標高1,816mの会津富士とも呼ばれる名峰です。

磐梯山は、表磐梯と裏磐梯という二つの異なる面を持ち合わせています。猪苗代湖に面する表磐梯は均整の取れた美しい山容、裏磐梯は噴火による荒々しい山体崩壊の跡が特徴的です。

雄大な自然を誇る磐梯山は、登山、ハイキング、スキーなど、さまざまなアクティビティで四季折々の美しさを体験できる場所として、多くの人々を魅了しています。

磐梯山や猪苗代湖、裏磐梯湖沼群の豊かな自然は、1950年に磐梯朝日国立公園として国立公園に指定されました。

表磐梯と猪苗代湖

磐梯山の伸びやかな稜線と猪苗代湖の穏やかな水面が、静かながらも印象深い風景を織りなしています。夏には浜辺で湖水浴やキャンプを楽しむ人々が、自然の中で穏やかな時を過ごします。冬には、越冬のために飛来する白鳥や、湖畔の波しぶきが樹木を凍らせる「しぶき氷」がこの地域の静かな美しさを一層引き立てます。

裏磐梯の湖沼群

1888年(明治21年)の磐梯山の水蒸気爆発により、北麓の河川が堰き止められ、秋元湖、桧原湖、五色沼など、美しい湖沼群が形成されました。裏磐梯の湖沼群は、水と森が織りなす風景で知られ、特に10月中旬から11月初旬にかけての紅葉は、その鮮やかさで訪れる人々を魅了し、高い人気を誇っています。

磐梯山に登る

磐梯山には周囲3町村にまたがる6つの登山口があり、初心者向けの歩きやすいコースから健脚向けの急登を駆け上るようなコースまで、さまざまなレベルの登山を楽しむことができます。
※磐梯山の山中には水洗やバイオトイレがないため、各登山口に携帯トイレの回収ボックスが設置されています。

猪苗代登山口(猪苗代町)

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猪苗代コース
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①リフト乗り場
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②リフト降り場の眺望
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③登山道入口

猪苗代スキー場を起点とする表磐梯のメインコースとなる登山口です。駐車場やトイレもあり、快適に登山の準備を行うことができます。また、スキー場にはRVパークという車中泊用のエリアもあり、登山の前後に高原キャンプを組み合わせることができるなど、レジャープランの幅が広いことも魅力です。

コース概略:猪苗代登山口→天の庭→赤埴山→分岐→弘法清水→磐梯山

猪苗代コースの特徴

bandaisan_006.jpg④登山開始直後から猪苗代湖の絶景が広がる

このコースは磐梯山登山の王道コースとも呼ばれています。ゲレンデを登ってからしばらくの区間は振り返ると猪苗代湖一帯の絶景パノラマが広がり、爽快な気分で登山を楽しめます。

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⑤ミヤマシャジ
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⑥天の庭から赤埴山の樹林帯

その後、天の庭から赤埴山にかけては樹林帯となり、ミヤマシャジンなどさまざまな高山植物を見ることができます。ミヤマシャジンの青い花が木漏れ日に照らされる姿は美しく、登山者の目を楽しませてくれます。

bandaisan_009.jpg⑦赤穂山の山頂から見る磐梯山

森を抜け赤埴山に立つと、空に衝き上げるような磐梯山山頂や櫛ヶ峰、東側には磐梯山と同じく百名山に数えられる安達太良山を望むことができ、眺めの良い休憩スポットとなっています。

赤埴山の先は左右に沼ノ平湿原が広がるゆるやかな道が続きます。

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磐梯山・櫛ヶ峰分岐からは表裏両方のパノラマを望める⑧沼ノ平ごしの表磐梯の風景/⑨火口壁の稜線から望む裏磐梯

沼ノ平を抜けると磐梯山・櫛ヶ峰分岐に至ります。後ろを振り返ると、沼ノ平から猪苗代湖にかけて雄大な表磐梯、分岐の先には水蒸気爆発でできた荒々しい火口壁と裏磐梯湖沼群のコントラストが織りなす風景が広がります。

bandaisan_012.jpg⑩四合目にある弘法清水

磐梯山・櫛ヶ峰分岐から25分ほど登ると四合目の弘法清水に到着します。夏でも冷たい水が湧いており、タオルを濡らして涼がとれるなど、登山者を癒してくれます。

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⑪弘法清水小屋
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⑫岡部小屋

また、弘法清水の近くには2軒の山小屋(いずれも宿泊不可)があり、湧水を使ったコーヒーやナメコ汁が名物となっています。翁島コース以外の5つのコースの合流地点でもあり眺めも良いので、小屋前の広場は休憩スポットとして賑わっています。

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⑬ウスユキソウ
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⑭山頂にある磐梯明神の祠

弘法清水から山頂までは約25分の登りです。山頂には磐梯明神の祠があり、表・裏両方の眺望が開けています。また、山頂周辺には高山植物の群落があり、エーデルワイスの仲間のウスユキソウなどが見られます。

駐車場 400台、無料
トイレ 駐車場付近にあり
RVパーク 猪苗代スキー場内の有料の車中泊施設
コース 片道 約5.7km(3時間半)
夏季リフト利用可能(1時間ほど短縮可能)
初級~中級
アクセス 自動車の場合:磐越道猪苗代磐梯高原ICから約15分
電車の場合:JR磐越西線猪苗代駅からタクシー(冬季はシャトルバスあり)

八方台登山口(磐梯町)

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八方台コース

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⑮八方台登山口と第一駐車場

八方台登山口は磐梯山の6つの登山口のうち、標高が最も高い1,194mにあります。高低差が少なく初心者でも楽しみやすいのが特徴です。

また、八方台登山口は磐梯山の西にそびえる猫魔ヶ岳(磐梯町、1,403.6m)へ続く猫魔ヶ岳やまびこ探勝路(往復約3時間)の起点ともなっています。

コース概略:八方台登山口→中ノ湯跡→弘法清水→磐梯山

八方台コースの特徴

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⑯木漏れ日の美しいブナ林
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⑰中ノ湯跡

登山口から中ノ湯跡までは明るく瑞々しいブナ林が続いています。木漏れ日が射し込み、野鳥がさえずる美しい森は歩きやすく、ウォームアップにちょうどいい道が続きます。

森を抜けると中ノ湯跡に出ます。 かつては大勢の温泉客が訪れていましたが、現在は廃墟となり立入禁止です。開けた展望からは磐梯山頂を見ることができます。

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⑱裏磐梯を一望できる展望スポット

中ノ湯跡を過ぎ、コースのおおよそ中間地点まで歩くと、北側に展望スポットがあります。展望スポットは火口壁上の尾根にあり、西吾妻山や桧原湖が織りなす絶景を一望できるビューポイントとなっています。

その先はしばらく樹林帯が続き、弘法清水で猪苗代登山口コースと合流します。

駐車場 八方台第一駐車場(70台分)、トイレあり
八方台第二駐車場(50台分)、トイレなし
コース 片道 約3.5km(上り2時間15分、下り1時間40分)
初級~中級
アクセス 自動車の場合:磐越道磐梯河東ICから約20分
電車の場合:JR磐越西線猪苗代駅からタクシー

渋谷登山口(猪苗代町)

国道459号線沿いにある登山口です。磐梯山東斜面を歩く樹林帯中心のコースで、多様な鉱山植物や森林浴を楽しむことができます。沼ノ平で猪苗代コースと合流します。

駐車場 ファミリースノーパークばんだい×2、トイレなし
コース 片道 約7km(上り3時間40分、下り2時間40分)
上級
アクセス 自動車の場合:磐梯高原ICより車で約20分
電車の場合:JR磐越西線猪苗代駅から裏磐梯高原駅行きのバスで「国際スキー場入口」にて下車

翁島登山口(猪苗代町)

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磐梯山南斜面、猪苗代リゾートスキー場の中腹にあり、6つある登山口のうち唯一、弘法清水を経由しないコースです。途中に水場はなく、スタートからすぐにガレ場の急登で一気に標高を上げていきます。標高差1,016mのため体力を要します。

駐車場 無料(70台)、トイレなし
昭和の森を経由する場合、開門時間(8:30~17:00、12/1~4月中旬まで閉園)に注意
コース 片道 約2.9km(上り3時間30分、下り2時間30分)
上級
アクセス 自動車の場合:磐梯高原ICより車で約10分

川上登山口(猪苗代町)

国道459号線沿いにある山の駅食堂敷地内の登山口です。
樹林帯を経て裏磐梯スキー場からのコースと合流し、噴火壁を登りきった磐梯山・櫛ヶ峰分岐で猪苗代登山口からのコースと合流する全長約6.3kmのコースです。

駐車場 無料(山の駅隣の登山口標識前に駐車)、トイレなし
コース 片道 約6.3km(上り4時間、下り3時間10分)
上級
アクセス 自動車の場合:磐梯高原ICより車で約20分
電車の場合:JR磐越西線猪苗代駅から裏磐梯高原駅行きのバスで「川上」にて下車

裏磐梯を観光する

秋元湖

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裏磐梯三湖の一つである秋元湖は、1888年(明治21年)の磐梯山の噴火によって生まれた、自然と人の手が織りなす美しい湖です。西岸に建設された秋元湖ダムは、発電や治水の役割を果たしながら、湖の景観にも一役買っています。
ダムの堤体に設けられた展望台からは、小さな島々が点在する湖面や、水墨画のような幽玄な風景、そして夜明けのドラマチックな光景を楽しむことができます。

中津川渓谷と磐梯吾妻レークライン

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秋元湖に注ぐ中津川の源流にある渓谷で、四季折々の美しい渓谷美を鑑賞できるスポットです。特に秋は絢爛な紅葉が渓谷を彩り、息をのむような風景が広がります。

中津川渓谷レストハウスからは中津川橋、渓谷沿いの遊歩道(往復約20分)が整備され、清流で磨かれた岩肌と鮮やかな紅葉を散策することができます。(※朝方や雨上がりは道が滑りやすくなるので、トレッキングシューズなど滑りにくい靴を着用してください。)また、中津川橋の上からは渓谷の全体像や、ドローンで空中から見るような渓谷の姿を楽しめます。

春の残雪と山桜、初夏の新緑など、季節により違った景色が見られるのも魅力の一つです。
(※冬期は道路の閉鎖のため立ち入り禁止)

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三湖パラダイスから望む秋元湖の紅葉

秋元湖と中津川渓谷をつなぐ磐梯吾妻レークラインにも絶景を楽しめるスポットがあります。三湖パラダイスと呼ばれ道路両側に駐車スペースのある展望スポットからは、裏磐梯三湖と磐梯山を見渡すことができます。
※冬期(11月中旬~4月中旬)は通行止めとなるため、最新の交通情報をご確認ください。

https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/41351a/reopening-laleline.html

猪苗代湖で遊ぶ

磐梯山の南側に広がり、郡山市、猪苗代町、会津若松市にまたがる日本で4番目に広い湖です。澄みきった深いブルーの湖水面と明るい砂浜のコントラストは美しく、南岸から猪苗代湖と合わせて望む磐梯山の景色は福島を代表する景観の一つです。

湖面の標高は514mと全国的にも高い場所にあり、冬は非常に強い季節風で吹き上げられた波しぶきが樹木に付着して凍り付く「しぶき氷」が見られます。
湖畔に広がる防風林では、ノスリ(タカの仲間)、アオゲラ(キツツキの仲間)、ヒバリといった野鳥の観察もおすすめです。

湖南七浜

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青松浜から望む磐梯山

「湖南七浜」は、猪苗代湖の南岸「郡山市湖南地区」にある七つの浜の総称です。北から時計回りに浜路浜、横沢浜、舘浜、舟津浜、舟津公園、青松浜、秋山浜が位置しており、いずれの浜からも猪苗代湖の先に四季折々の磐梯山が眺望できます。

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舟津公園で湖水浴を楽しむ
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横沢浜のキャンプ風景

夏は、湖水浴やキャンプ場、マリンスポーツの拠点として多くの人で賑わいます。

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舟津公園の桜
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磐梯山を背に飛び立つ白鳥
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しぶき氷

冬は舟津浜、舟津公園、青松浜付近に白鳥が飛来し、浜路浜では「しぶき氷」が見られます。
また、例年5月上旬ごろの舟津公園は猪苗代湖・磐梯山・桜のコントラストに包まれます。

※本記事で使用している地図は地理院地図に登山ルート・撮影ポイントを加工して作成。
https://maps.gsi.go.jp/#15/37.602808/140.073195/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c0g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f0